2026年9月29日


「顔が赤くなりやすい」
「ニキビのようなブツブツが顔に繰り返しできる」
「ニキビ治療をしているけれど、なかなか改善しない」
このような症状では、酒さ(しゅさ)が関係していることがあります。
酒さは、顔の赤みやほてり、毛細血管の拡張などを伴う慢性的な皮膚疾患です。症状が進むと、顔に赤いブツブツや膿をもったブツブツがみられることがあります。
こうした丘疹・膿疱を伴う酒さの治療選択肢の一つとして、海外ではイベルメクチン1%クリームが使用されています。
イベルメクチンクリームとは?
イベルメクチンは、もともと寄生虫に対する作用を持つ薬剤です。
酒さでは、皮膚に常在するDemodex(デモデックス:ニキビダニ)との関連が指摘されており、イベルメクチンにはDemodexに対する作用に加えて、炎症を抑える作用があると考えられています。
そのため、
赤み+顔のブツブツ・膿疱
が目立つタイプの酒さで、治療の選択肢として検討されます。
どのような症状に使われる?
特に次のような症状がある方では、酒さの可能性があります。
ただし、顔の赤みやブツブツは、ニキビ、脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎、ステロイド外用による酒さ様皮膚炎などでも起こります。
そのため、まずは皮膚の状態を診察し、原因を見極めることが重要です。
イベルメクチンクリームはどのように作用する?
イベルメクチンには、
① Demodex(ニキビダニ)に対する作用
酒さの患者さんでは、Demodexの増加が炎症に関与している可能性があります。
イベルメクチンは、Demodexに対する作用を持つことが知られています。
② 炎症を抑える作用
酒さでは皮膚の炎症が症状に関係しています。
イベルメクチンには抗炎症作用もあると考えられており、赤い丘疹や膿疱などの炎症性皮疹の改善を目的として使用されます。
イベルメクチンクリームとニキビの違い
酒さの赤いブツブツは、一見するとニキビとよく似ています。
しかし、原因や治療方法が異なる場合があります。
実際には両方が合併することもあります。
「ニキビだと思って治療しているのに、顔の赤みやブツブツがなかなか治らない」という場合には、酒さを含めて診察することが大切です。
イベルメクチンクリームの治療期間
海外の臨床試験では、イベルメクチン1%クリームを1日1回、12週間使用した試験などで、丘疹・膿疱型酒さに対する有効性が検討されています。
ただし、酒さは慢性的に経過することがあり、治療を中止すると再び症状が出る場合があります。
そのため、
「一度塗れば酒さが完全に治る」
という治療ではありません。
症状をみながら、スキンケアや他の外用薬・内服薬などを組み合わせて治療することがあります。
副作用について
外用薬のため、塗った部分に
などが生じることがあります。
もともと酒さの方は皮膚が敏感になっていることもあるため、使用中に強い刺激感や症状の悪化がある場合には、自己判断で継続せず医師にご相談ください。
酒さの治療は「塗り薬だけ」ではありません
酒さでは、薬による治療だけでなく、悪化しやすい刺激を避けることも大切です。
紫外線、アルコール、熱い飲み物、辛い食べ物などの悪化因子を避けることが推奨されています。
日本では承認されている薬なの?
イベルメクチンクリームは酒さの治療薬として日本で承認された製剤ではありません。
一方、海外ではイベルメクチン1%クリームが酒さの治療に使用されており、海外のガイドラインでも丘疹膿疱型酒さの外用治療選択肢として位置づけられています。
そのため、日本でクリームを使用する場合には、国内未承認薬であること、入手経路、費用、リスクなどについて十分に説明したうえで使用を検討する必要があります。
当院では、症状に合わせて治療をご提案します
顔の赤みやブツブツは、酒さだけでなくさまざまな皮膚疾患でみられます。
当院では、皮膚の状態を診察し、
酒さなのか、ニキビなのか、その他の皮膚炎なのか
を確認したうえで、患者さんの症状に合わせた治療をご提案します。
赤みやブツブツが長く続いている方、ニキビ治療をしても改善しない方は、一度皮膚科へご相談ください。
価格
1本 4400円(税込)
イベルメクチンクリームについて
本剤は日本国内では酒さの治療薬として承認されていない医薬品です。海外で酒さ治療に使用されている製剤を、医師の判断により適応外・自由診療として使用する場合があります。
治療の必要性、期待される効果、起こりうる副作用などについて診察時にご説明します。
※効果や経過には個人差があります。